実印の書体に篆書体(てんしょたい)が使用されるのは、丸枠や角枠の中に文字を美しくデザインでき、文字に様々な変化がつけられるからです。
同じ文字でも篆書ならデザインを変化させることが出来る
この二つのデザインを見てください。
左側は「立花道雪」右側には「立花宗茂」とデザインしています。
※印鑑の読み方は右上→右下→左上→左下の順で読みます。
それぞれのデザイン右側に「立花」という姓がデザインされているので見比べてください。
同じ「立花」の名字でも変わっている部分が沢山あります。例えば
- 両者の「立」の真ん中部分を変えている
- 立花道雪の「立」は縦に少し長い
- 両者の「花」の草かんむり部分を変えている
- 立花宗茂は漢字の書く数が少ないので各文字のバランス調整
などなど。
この様に篆書体(てんしょたい)の文字の千変万化を見て頂きました。
篆書体(てんしょたい)は秦の始皇帝が統一した左右相称を基本としながらも、字形は千変万化を可能とし、丸や角の中に美しくデザインでき、同じ名前でも色々な変化がつけられる文字。
その形状は品格第一、謹厳・流麗・明朗、文字としても様々な顔を持ち、造形は極めて芸術的で皇帝の文字とも言われる所以です。
本人確認・本人の意思確認をする為の大切な実印や銀行印には、世界でたった一つデザインを作ることが出来る「篆書体」が使われるのです。
篆書(てんしょ)を用いた印章は実用美術品
印章の本質は、2千年以上の歴史によって基礎づけられた美学であり、「美あるところに徳を生じ善を招ぶ」と言われます。
印章とは何げなく押した格調高い立派な美しい印影が契約書・見積書その他の書類に留まり、信を示す重さと共に、気品を匂わせ、やがては内容に充実感を与え、その結果信用も増大し、人生・社業に好結果をもたらすもの。
そのために印章には篆書体(てんしょたい)が使用されるのです。
実印に篆書体を使おうか悩んでいる方は参考にしてみてください(^^)
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